Restaurant Barbizon
2013年12月
ソワーニュの森のはずれにあるレストラン「バルビゾン」は、バルビゾン派の先駆者コローが描くような田園風景の中にたたずむレストランだ。そのメニューの表紙がミレーの描いた「落穂ひろい」とくれば、そのいわれを問いたくなるのは当たり前。
「バルビゾン派の画家が移り住んだバルビゾンは、フランスのどこにでもあるような小集落です。パリの喧騒から離れたフォンテーヌブローの森と自然、そこに住む陽気な農民が彼らを惹きつけました。ソワーニュの森の中にあるここオヴェライスも同じです。ブリュッセルから少し足を延ばすだけで、散歩や乗馬、キノコ狩りと、日常と少し違う楽しみや安らぎがあります。また四季折々に顔を変える森は格好の画材です。バルビゾンの名前がこんなにピッタリくるところは他になく、これ以外の名前は考えられません」と2代目オーナシェフ、アランさんは語る。
ベルギーの星付きレストランとフランスの名店トロワグロや偉大なシェフ、アラン・シャペルのもとでじっくりと修行したその腕は、元ミシュランの星(二つ星、一つ星)獲得者だ。今は息子オリビエさんにキッチンの采配をまかせ、自らはサブとして後継者の育成に励む。
今では珍しくなった正統派のメートル・ドテル(給仕長)が出迎えてくれるレストランは、明るい陽光が差し、広すぎず狭すぎず、ゆったりと落ち着ける暖かい雰囲気がある。日本の皇太子殿下や皇族の方がおいでになったのも自慢の一つだ。
料理は軽い仕上がりの本格的フレンチ.最近のトレンドである懐石料理的な少量ではなく、十分な食べ応えがあるのが嬉しい。
店の看板料理は、「オマールの紙包み焼きHomard en Chemise, beurre Barbizon」€ 70。しかし季節の素材を生かした創作料理もぜひ味わいたい。そんなときはアラカルトでなく、メニューを選べば万遍なく試せる。メニューは、「Menu 55」3サービス36€(ワインとコーヒー付は55€)、チーズがついた「Menu de Saison 」59€、「Vintage」150€等、予算に合わせて数種類ある。