男の料理①  本物のグーラッシュを作ろう!

 

2016年8月

ハンガリー料理といえば「グーラッシュ」ですよね。ハンガリー語ではグヤーシュ(Gulyás)ですが、ドイツ語でグーラッシュと発音するため、西欧の他の国ではこれが一般的になったようです。

今回は、ハンガリー人の友人が、料理上手なお母さんに習った牛肉のシチュー、マハ パーカルト(marha pörkölt)をご紹介します。マハは牛肉という意味です。シチューというとなんとなく冬の料理と思いがちですが、新鮮なパプリカやキャラウェイが手に入る夏に適しています。


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材料:4人分

煮込み用の牛ばら肉(carbonnade)700g、玉ねぎ 3個、ガーリック ひとかけ、トマト 2個、赤または黄色のパプリカ1~2個、パプリカパウダー大さじ2杯、パプリカペースト小さじ2杯。ビーフブイヨン500ml、キャラウェイ小さじ1杯、オリーブオイル(またはコーンオイル)適宜。

 

① 牛肉は4、5センチの角切り、玉ねぎとニンニクはみじん切り、パプリカはへたと種を除き縦1センチ幅に切り、トマトは皮を取り除いてからざく切り。

 

② 煮込み用の鍋(底の厚い鍋)にオリーブオイルを入れ、十分に熱してから牛肉を入れる(肉汁を外に逃がさないため)。強火で手早く全面に焦げ目をつけ、塩コショウをする。他によけておく。

 

③ ②の鍋にオリーブオイルを熱し玉ねぎを入れ、中火でほとんど茶色になるまでゆっくり炒める。

 

④ 鍋を火からおろし、パプリカパウダーを加えてよく混ぜる(パウダーを焦がすと酸っぱくなる)。

 

⑤ 鍋を火に戻し、②の肉を加え玉ねぎとよく混ぜ合わせ、パプリカ、塩を入れ、肉がきつね色になるまで5分~10分煮る。

 

⑥ トマト、ブイヨン、パプリカペースト、キャラウェイを入れ、肉が柔らかくなるまで約1時間煮る。

 

⑦ その間にタルホニャTarhonyaという卵入りのミニパスタを茹でる。他のパスタと同じ要領で茹でるが、小さい割には茹で時間がかかる。卵の量が8個(8 Tojásos )というのが美味しいそうです。

 

なお、ハンガリーではスープ的にさらっと作るそうですが、とろみをつけたい場合は⑤の段階で小麦粉を少々振り入れると良いでしょう。 キュウリのサラダを添えてボナペティ!ハンガリー語では、ヨー エートバージャット!

 

ハンガリー食材店:

Hungarom Chaussee de Waterloo, 603

1050 Bruxelles

Tel:02-3463450

定休:日曜日

 

★おまけ

グーラッシュの起源は、カーボーイ料理です。

ロシアを南北に縦断するウラル山脈地帯の西アジアに、牧畜を生業とする遊牧民が5世紀ごろ出現。騎馬技術に優れた彼らはステップ平原を自由自在に横断し、肉、毛皮の交易で生活していました。牛飼いたちは長旅に堪えない弱い牛をとさつして、たき火にかけた大鍋で、ありわせの野菜と共にごった煮にして全員の食事としていました。グーラッシュは、釜で煮た料理「釜煮グヤーシュbogrács gulyás」が起源です。現在でもハンガリーの農村ではこの伝統的なスタイルのグーラッシュを食べています。釜で大胆に煮た料理なので、うるさい規則なんてありません。肉と玉ねぎとパプリカパウダーさえあればできる男性向きの料理といえます。