オメガング OMMEGANG
2016年7月
ブリュッセルのグランプラス広場で7月4日と6日に恒例の「オメガング」が開催されました。 「オメガング」をご存じない方のためにクイックガイダンス。オメガングとは、14世紀なかば、「おおゆみの射手」組合が、サブロン広場にあるノートルダム寺院へ尊敬と栄光をたたえる誓約の行列をしたのが始まりです。それ以降ブリュッセル市の役人や他の地方の役人・軍人・一般人もこの行列に加わることになりました。それが今のように華やかな「 時代祭り」となったのは、1549年、神聖ローマ帝国皇帝とスペイン王を兼ねるカール5世がその息子フェリペを披露するためにブリュッセルを訪れたことに端を発します。国民はその光栄に浴したことを感謝し、国を挙げて歓迎しました。これを再現したのが今のオメガングというわけです。
「オメガング」の舞台裏を書いたサイトは、「ベルギーお役立ち」リンクをご覧ください。
Voyage→ベルギーお役立ちリンク集→ベルギーあれこれ→コラム06オメガング https://www.manneken.co.jp/about/column/
日本登場!
さて、2016年はベルギーと日本の友好150周年の年にあたるため、オメガングに日本が登場。外国がオメガングに登場するのは異例なことで、しかも日本人の行列がトップバッターとして登場したことで、観光客やベルギー人に大いに日本とベルギーの友好関係がアピールできました。
オープニングに先立ち市庁舎のゴシックの間でレセプションがあり、ブリュッセル市長と日本大使の挨拶後、関係者や招待客との和やかな懇談がありました。日本人の行列を正面から撮るつもりの私は、折からの寒さと、なにしろひな壇に座ると3時間は席を立てないので化粧室に行ったのですが、これが失敗のもと。長蛇の列で40分も待たされたせいで、太鼓の音と共に日本の行列がスタートしてしまいました。急きょ一分だけと頼み込んで、市庁舎のバルコニーから行列の写真を撮ったのでボケていますがご勘弁を。なお、石井大使がお召しになったのは16世紀の武家の正式装束で「直垂(ひたたれ)」というそうです。鎧兜を着た人、打掛を羽織った女性、町人姿の人、そしてなんと忍者まで登場。おおいにカメラが向けられました。
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掃除夫も登場
繰り広げられる時代絵巻は何回見ても迫力ありですが、みんなの笑いをさそったのが、馬にまたがった騎士たちが登場した後、馬が残したものを掃除するために登場した掃除夫の二人。モップとシャベル片手に手押し車で現れ、セッセと馬糞をかき集め、爆笑と拍手で見送られながら退場。ところが次々に登場する騎士たちで、広場のあちこちに馬糞が残され、しかしプログラムは進行するはで、どうなることかとハラハラしました。そこをうまくよけて練り歩く人、ドレスの裾をしっかり持ち上げて歩く貴婦人、気がつかないのか胸をはって堂々とその上を歩く司祭、馬まで滑りかける始末で、あまりのおかしさに涙を流しながら笑いころげた不謹慎な私でした。
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