シカゴ
2015年11月
アメリカの中西部にあるイリノイ州のシカゴを訪れました。シカゴは地図で見るとニューヨークから内陸へまっすぐ西、五大湖の一つミシガン湖に面した所にあります。はじめてみるミシガン湖は対岸が見えず、海のように大きくてアメリカの大きさを再認識させてくれました。
シカゴといえば、アル・カポネの街?バスケットチームのシカゴ・ブルズの拠点よね・・・という程度の知識しか持たずにガイドブックを持って出発しました。行ってみると、ボルサリーノをかぶったスーツ姿の男性が闊歩しているわけではもちろんありませんでした。NBAもシーズンオフのためシカゴ・ブルズのロゴは一切目にせず、シーズン中の野球のシカゴ・カブスのマークがあちこちにみうけられました。
アル・カポネらしき人は目にしなくても、イタリア系の人々が多かったことは独自のピザやイタリアン・サンドイッチが根付いていることでわかります。アメリカの食べ物といえばピザやハンバーガーがよくあげられますが、アメリカでも人種が違えば食べるものも違います。そして地域が違えばピザと言われて想像するものも同じではありません。
ニューヨークでピザといえば直径18インチ(45cm)が一般的。店先ではよく放射状に8等分したスライスを1枚ひょいとお皿にのせ、たっぷりのチーズやトマトソースが流れないように折ってかぶりつきます。ニューヨークのデブラシオ市長はこれをナイフとフォークで食べるというのでニューヨーカーらしくないとやり玉にあげられたこともあります。
シカゴでピザと言えば、「ディープディッシュ・ピザ」と呼ばれる分厚いもの。今回残念ながら食べる機会がなかったのですが、店先で目にしたのは3cmほどの厚みのある直径20cmぐらいのキッシュのようなもの。キッシュと違うのは表面がトマトソースで真っ赤なことです。薄いピザもありますが、薄いものはニューヨークスタイルよりもさらに生地が薄くパリパリで、サイズは日本とあまりかわらない直径20cmぐらいの大きさでした。オーダーした我が子が悲鳴をあげたのはその切り方。格子状に切ってあり、確実にナイフとフォークでないと食べられません。ニューヨーク式に手で食べようとしていた子どもにとっては、おいしさもややマイナスになってしまったようです。おいしいんだけど・・・お茶碗のご飯をフォークで食べるような違和感でしょうか。
シカゴのサンドイッチといえば「イタリアンビーフ」。ローストしてからすき焼き用のように薄く切った牛肉をその肉汁とともに煮込み、煮汁をつけたイタリアンロールのパンにはさみこんだもの。「hot or sweet peppers?」と聞かれて、辛いほうが良ければピリッとしたハラペニョやパプリカのピクルス(giardinieraというそうです)、辛いのが苦手であればピーマン(sweet
pepperと言います)を選んでトッピングしてもらいます。醤油を使っているわけではないし塩胡椒はきつめですが、日本人になじみやすい味だと思います。ピクルス、玉ねぎ、トマトなどのどーんとのったシカゴスタイルのホットドッグにひるんだら、見た目は素朴ですがそんなに脂っこくないイタリアンビーフを選ぶのもいいですよ。