忘れられた野菜(3)パーニップルーツパセリ(イギリスのパセリ)

Persil tubéreux(turnip-rooted parsley)

 

2016年3月

パセリは南ヨーロッパを原産とする二年生の草木で大きく分けて3つの種類がある。カーリーパセリ(いわゆるパセリ)、イタリアンパセリ(平たい葉)、そして今回のパーニップルーツパセリだ。

パーニップルーツパセリが「イギリスのパセリ」または「ドイツのパセリ」とも呼ばれる由来は、1714年、ハノーファー選帝侯が(後のグレートブリテン王国及びアイルランド王国の国王、ジョージ1世)がドイツから種を持ち込んで栽培を始めたことによる。この野菜は、ニンジンの様に肥大した根を食べる栽培野菜で、トルコが原産といわれており、16世紀以来ドイツで栽培されていた。

 

黄色みがかった果肉と形はともするとパースニップと間違えるが、前者はパセリの香りで後者はヘーゼルナッツに似た香りがある。シーズンは9月の中旬から冬で、味はセルリアクのようだが、よりソフトで甘みがあり美味しい。調理法はカブやニンジン、ジャガイモと同様だが、いずれも皮を剥いて調理する。生ならサラダ、調理するならシチュー、フリッツ、野菜炒め、天ぷら、スープ、グラタンなど。しかし調理時間は短くすること。赤みの肉や豚肉、鶏肉と相性が良い。

ビオショップSEQUOIA

 

忘れられた野菜が有名シエフの創作力をかきたて活用し始めたこともあり、そのいつくかはスーパーでも手に入るようになったが、パーニップルーツパセリはまだまだ一般には知られていないので、スーパーではお目にかかることがないが、シーズン中はビオショップのセコイア(SEQUOIA)に置いてある。

 

セコイアはストッケル以外に3店あるビオの店で、最近は和食の食材にも力を入れている。味噌や醤油、梅干しや有機栽培のそばやうどん等のほか、チョロギ(日本のと、名前がついている)や大根などもある。

 

当店が数ヶ月おきに出す冊子「SEQUOIA」には役にたつ情報が載っているので、フランス語の勉強も兼ねて読んで欲しい。例えば、店に置いてあるパイナップルの色はグリーンだが、これは収穫時に色を変える処置をしていないためだそうだ(熟成度は香りでチェック)。また、一般の店で見かけるマンゴー(世界の90%がハワイ産)は遺伝子組み換えの品種なので、気になるならビオのラベルがついているものを選んだ方がいいなど。ただし、当店の品物はスーパーで買うよりかなり高くつくが、こだわりの「100%ビオ」ならそれも仕方がないだろう。

SEQUOIA Stockel

Rue de l'Eglise 101, 1150 Bruxelles  

電話02 771 68 38

営業時間 9時~19時30分 

定休日 日曜

www.sequoia.bio