ゲントのマスタード

 

2014年7月

 

 

2つ星レストラン「コム・シェ・ソワ」で愛用しているベルギー産のマスタードのひとつが、ゲントの老舗ヴィーレンティン-ヴェルレントVierenteyn-Verlent製のこのマスタード。もう一つのベルギー産は、201210月号の「応援しますベルギー産」でご紹介したビスターBisterです。

ゲント市の中心グルンテンマルクト広場Groentenmarkt にある店は、こじんまりとしているので、気が付かずに通り過ぎてしまうぐらいです。1790年創立の店は、マスタード以外にもスパイス、ハーブ、酢やお茶、ハチミツやジャムなども売っているいわゆる乾物屋。1958年までは創立者の家族経営でしたが、売却され現在のオーナーとなりました。が、伝統的なマスタードの製法はしっかり守られ、その製法は企業秘密です。

 

 

写真の容器はプラスティック製ですが、伝統的な容器はグレーの陶器製で、アルデンヌ地方で作られています。ロイヤルブルーで書かれた月のロゴとゴシック文字は、創立当時がオーストリアに支配されていたため、オーストリアン・ロココ調。

 

さてその味は、ヨーロッパでは珍しくピリッと辛いマスタードです。初代がディジョンのマスタード製法を手本に、独自の配合の数種のマスタード粒と石臼で作りました。

週に2回~3回作るマスタードは、常温で3週間はもちますが、日にちが経ちすぎたものは、マヨネーズに混ぜてフリッツの友に、ベルギーの家庭料理「牛肉のビール煮」や、豚肉や鶏、うさぎの料理に合います。ハムやチーズとも相性がよく、特にハードタイプのチーズにつければ、ビールがすすみます。

店で売っている容器詰めを買わなくても、空いたビンなどを持参すれば、店で入れてもらえます。

 

Tierenteyn-Verlent

Groentenmarkt 3
9000 Gent