ガレット・デ・ロワ in NY

2014年1月

 

ベルギー在住のグルメな皆さんなら新年のお菓子といえば、ガレット・デ・ロワを思い浮かべることでしょう。そして、ベルギーを出て十年たっても忘れられない私は東京でもニューヨークでも、お正月が終わるといそいそとフレンチ・ベーカリーにむかいます。東京でも最近はフランス系のケーキ屋やパン屋が多いので、本場とそん色のないものが手に入ります。では、ニューヨークはどうでしょう?

 

お金さえ出せば世界中のものが手に入るニューヨーク。ガレット・デ・ロワももちろんありました。2年前のものですが、雑誌ニューヨーク・マガジンによるガレット・デ・ロワのランキング*も見つけました。ランクインしているのはどこも著名なフレンチ・ベーカリー。

 

フィナンシェのお一人様用
フィナンシェのお一人様用

 

5位はグランド・セントラル駅構内やマンハッタン中に店舗を展開するフィナンシェ。こちらは店舗も多いし売り出し期間も長く、1人用の丸いものからあるので一番手に入りやすいです。一人用のものには残念ながらフェーヴは入っていませんが、気分を味わうには十分。もう少しホロッというかサクッというか・・・軽い食感というにはもう一息なところがベスト・スリーに入れなかった理由かと思われます。

 

 

4位はフランソワ・パイヤール。フランジパンがやや多めですが、生地はさくっとして、私が試した中では一番軽い食感でした。3位はベッカム夫妻も立ち寄るバルサザール。老舗のベーカリーです。2位に入っているのはクロナッツで有名になったドミニク・アンセル。

フランソワ・バイヤール
フランソワ・バイヤール

エピスリー・ブールー店内
エピスリー・ブールー店内
エピスリー・ブールー
エピスリー・ブールー

 

1位はエピスリー・ブールー。老舗が多くランクインしている中でここは比較的新しく、ニューヨークでも名高いレストランを何軒もプロデュースしているダニエル・ブールーのセレクトショップとして人気の高い店です。1位はさすが。パイ生地の均一な層、バターと小麦粉とアーモンドのバランスのとれた風味、そしてどこよりもフランジパンの部分がおいしい!最初に見たときはずいぶん茶色いフランジパンだな、と思ったのですが、どうやらアーモンドを皮ごとひいてあるためのようです。ランクインしていないある有名店も皮つきのアーモンドプードルを使っているフランジパンが入っていたことがありますが、そこのものは食感がざらついて、「皮ごとアーモンドを使うなんて邪道!」と思ったものでした。エピスリー・ブールーのものはそんな私の「皮つきのアーモンドプードル」に対する偏見を吹き飛ばしてくれました。しかも一切れから買うことができて、「フェーヴが入っているかもね」とお茶目な笑顔で店員さんが一言そえてくれました。残念ながら私のものには入っていませんでしたが、一人でもわくわくしながら食べられるなんて素敵です。

 

ランキングは2年前のもの。そのあともベーカリーやケーキ屋さんはどんどん増えているので、今ならもっと新しいお店がランクインするかもしれません。最近フランスから上陸したメゾン・カイザー、マンハッタンに増殖中のル・パン・コティディアンでもガレット・デ・ロワは手に入るようです。1月中にニューヨーク旅行のご予定のある方はぜひお試しください。

 

* ガレット・デ・ロワのランキング

http://www.grubstreet.com/2012/01/new-yorks-best-galette-des-rois-king-cake-taste-test.html#