給食

2016年2月

学校給食あれこれ  

 

 日本の小学校では、1月24日から30日までの一週間を「全国学校給食週間」と定めています。

 我が子の小学校では、その間、昔の献立というテーマで「焼き魚、たくあんのいためもの、すいとん汁、麦ごはん」が出されたり、郷土料理として長崎をピックアップしてチャンポン麺が出されたりします。

 

 

 こどもが毎月の献立予定表を持って帰ってくるたびに“よく練られた献立だなぁ”と参考にすることがしばしばあります。春には「タケノコご飯や新じゃがいもの炒め煮」、夏には「ズッキーニのおかか炒めやスイカ」、秋には「栗ご飯やさんまのみぞれ煮」、冬には「きりたんぽ汁や蕪のクリームスープ」など四季が感じられるかと思えば、タンドーリチキン、ビビンパ、ペンネ、ガパオライスなど、エスニックなものもあります。パスタや麺類のこともあるので毎日、米を食べているわけではなく、パンが主食の日も月に2,3回ぐらいあります。時代なのか、たまたまうちの子の学校がそうなのか、魚がメインの日のほうが肉の日よりも圧倒的に多いのも私の給食のイメージとは違います。栄養士さんによれば、野菜はなるべく近隣の畑のものか国産のもの、果物は必ず国産のものを使用するそうです。道理で季節外れの果物や献立が少ないわけです。この献立を一食数百円という予算で組むのですから、補助があるのでしょうが驚異的だと思います。

 

 食器はカラフルで、箸で食べます。当たり前といえば当たり前のようですが、アルミの器によそわれたご飯も麺も先割れスプーンで食べていた時代に育った身には、隔世の感があります。でも牛乳だけは今もかわらず必ずついてきます。乳アレルギーの子には辛いだろうなぁと思いますが、最近の給食はアレルギー対策もばっちりです。  

 自治体によって、もちろん対策の程度は違いますが、「アレルギー?わがまま言わないで食べなさい」という無理解はさすがに過去のものだと思われます。アレルギー持ちのうちの場合は、月に2回、学校の栄養士さんと献立予定表をやりとりして、食べるもの、除去してもらうもの、食べないもの、代わりを持参するものをチェックします。そのおかげで、今まで全くトラブルはなく、安心してこどもを学校に送りだせます。ニューヨークから帰国する前は給食が心配で、毎日お弁当持参になることも覚悟していたので、こどもが給食を憂鬱に思わずに、みんなと同じように楽しみにできることは親にとっても喜びです。 

 

ちなみに、よく「ニューヨークの小学校も給食なの?」という質問を受けます。ニューヨーク市の公立小学校にはカフェテリアがあって、希望すればCold Mealとよばれるサンドイッチと果物か、Hot Mealとよばれる日替わり定食のどちらかを選んで食べることができました。毎週金曜日は大人気のピザでした。当時うちの子は家から持参のお弁当を「アレルギー・ブース」というアレルギーっ子たちだけの指定席で食べるのが常でした。

 オバマ大統領夫人のミシェルさんが学校給食の改善運動を始めたので、だいぶバランス良くなりつつあるようですが、日本の給食を見るとだいぶ恵まれているように感じます。

 

 

  給食のアレルギー食に関するノウハウは、外国人児童が増えつつある今後の学校給食に応用できるとも聞いたことがあります。たとえば豚を一切食べないイスラム教徒のこどもや宗教的にベジタリアンの食事をするこどもたちも食べられる給食・・・現状では多くないでしょうが、柔軟に対応できればこどもたちにとっても多様性を受け入れる良い機会にもなり、何より楽しい給食の時間を持つことができることでしょう。

 

※給食の写真はありませんので、冬のイメージとして鍋焼きうどんです。
※給食の写真はありませんので、冬のイメージとして鍋焼きうどんです。