ベルギーで初めて開催された「サロン・デュ・ショコラ」2月7日~9日
2014年3月
今年で20回目を迎えるパリ生まれのサロンが、なぜ今ベルギーで開催されるのか?との質問に、「ベルギーチョコレートの名声は世界に知れ渡っています。そのベルギーにいまさらチョコレートの見本市でもないと考えていました。ところが、幸いなことにベルギー側からの招致があり、飛びつきました」と主催者は語る。そのサロンに行ってきました。
前夜祭の6日のオープニングの夜はすごい嵐で、強風と横殴りの雨にびしょ濡れになりながら会場に辿り着きました。皇族や政・財界の人、各国大使やプレスなど三千人が招待された広い会場は既にたくさんの人で埋まり、サロンの花形、チョコレートのドレスを着たファッションショーが始まるのを今か今かと待っていました。知人のショコラティエ、ルレ・デセールのメンバーであるジャン=フィリップ・ダルシとマルク・デュコビュも、チョコレートの衣装を出したので楽屋裏に訪ねました。
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二人とも、美女に囲まれて紅潮した頬でニコニコしていました。15人のモデルをはじめメイクや衣装係、テレビやラジオの報道陣でてんやわんやの間を縫って、じゃんじゃんサービスされるシャンパン。まぁにぎやかで陽気な楽屋裏でした。
ファッションショーは、ブラジルやヴェネズエラなどのカカオ生産国の大使をはじめ、日本やフランスの大使、ベルギー政財界人などのVIPや招待客が待ちうけるなか、ブラジルの音楽家たちの奏でる、リオのカーニバル並みのリズムで幕を開けました。にこやかに登場する意匠を凝らしたドレスのモデルたち。やんやの喝さいでした。
© Nicolas Rodet 写真をクリックすると大きな画像が表示されます。
90店が参加したサロンでは、プラリネの作り方の実演、星つきシェフやパティシエのデモンストレーション、子供や大人の菓子教室、書籍コーナー、「ベルギーチョコレートの発展」の展示などがあり、3日間を通じて3万人の入場者があったそうです。
ベルギー版サロン・デュ・ショコラの特色は、チョコレートの原料であるカカオ豆にスポットを当てたこと、コメルス・エキターブル(フェアートレード)やバイオ(有機栽培)、スローフードを取りあげ、「地球の自然破壊や温暖化、児童労働」を強くアピールしたことです。これは今までの他のサロンではなかった企画で、試食をしたり買ったりするだけのサロンとは違い、チョコレートをグローバルな視線で紹介したと好評でした。