バッファロー@イエローストーン国立公園

2013年9月

 

9月になり、ぐっと涼しくなったニューヨーク。日が短くなってきたなぁ…と思ったら、毎日およそ3分ずつ夜が長くなっているそうです。夏は夜8時でも明るい時期もありましたが、朝8時でも真っ暗な冬が刻々と近づいています。


さて、終わってみればあっという間の夏休み。今年はニューヨークから飛行機で西へ飛び、レンタカーで国立公園をいくつか訪ねてきました。奇岩やダイナミックな間欠泉、どこまでも続く大平原、富士山より高い山など様々な地形もアメリカの広大さを知ることができて素晴らしかったですが、草原(プレーリー)のあちこちでつっ立って時々犬のように鳴くプレーリードッグ、岩山で休むビッグホーン(オオツノヒツジ)の群れ、湖のほとりでたたずむムース(ヘラジカ)・・・と様々な野生の動物を目撃して子どもも大人も大喜びでした。

 

旅行に行く前に気になっていたのが「バッファロー」とは何かということ。いつも行くスーパーでビーフジャーキーと並んでバッファロージャーキーが売られているので絶滅している動物ではないのね、と思っていたのですが・・・バイソンとどう違うのかしら?水牛の一種?とクエスチョンマークが頭の中に点滅していました。

 


アメリカ最大級の国立公園、イエローストーンにはバッファローの群れが生息しています。期待通りに30頭以上の群れに遭遇。大きくて焦げ茶色の肩の盛り上がった水牛といったところで一頭でもすごい迫力でした。春に生まれたばかりの子どもは一見するとくりくりしたおめめで仔牛よりちょっと大きいぐらいでかわいいです。

 

ここでこどもの図鑑を拝借。アメリカバイソンのところには一言「バッファローともいわれます」。あ、同じなんですね。「ウシ科」。毛深い水牛みたいなルックスだし。だものね。「体長300cm、体高200cm、体重1000kg」・・・夜、知らずに車ですれ違ったときは車より高い闇の中に目が光っていてぞっとしたものです。ぶつかられなくてよかった・・・。実際、毎年イエローストーン国立公園でバッファローのからんだ事故によるけが人はクマがらみの事故でけがをする人より多いとか。

そして、野生で保護されていると思いきや、前述のようにジャーキーもあるし、肉屋で「Bison」なんてひき肉でも売っているし、気をつけてみると食肉で案外みかけます。バッファローのリブ、ステーキ、フランクフルト・・・大きさもビーフより大きいけれど、味もやや臭みが気になります。ジビエと同じで、野性味を上手に残して臭みをうまく消せるかどうかがレストランの腕の見せ所といえます。


私たちは、物好きに何度か食べました。アラブ料理のケバブよりもう少しマイルドな感じのスパイスを上手に使った串焼きがこどもには好評で、シンプルな味を好む子でも微妙なスパイスづかいの良さがわかるのねぇと、負けずに串にかじりつきながら納得。でも、観光地のカフェテリアで味見させてもらったバッファロー・シチューはシチュー全体に臭みが回っていて注文する気になれませんでした。アメリカでバッファローに挑戦するなら、良さそうなレストランを選ぶのがポイントかもしれません。


 

参考『ジュニア学研の図鑑 動物』(学習研究社、2007年)

Yellowstone Park Foundation (2012). Yellowstone National Park