ゴッホ展
~ 2015年 欧州文化首都 モンス ~
2015年5月
今年2015年は、エノー州のモンスが欧州文化首都(Capitale Européenne de la Culture)に選ばれた。欧州文化首都とは、1985年、アテネを最初として始まった行事で、EUの指定都市の中から選ばれた都市で、一年間集中的に各種の文化イベントを行うという一大事業である。毎年、1~2の都市が選ばれるが、2015年はベルギー、モンス市とチェコ、プルゼニ市に決定したというわけだ。一年間にわたって、たくさんのイベントが行われているが、中でも大目玉は、「ゴッホ展」である。
今回の展示は、画家を志す以前のゴッホがモンス近郊のボリナージュ地方に居を構えていた頃の作品を中心に彼の人生を辿っていく、というテーマで進行していく。彼の作品の中でも初期のものがほとんどであるので、かの「ひまわり」や「星月夜」のような有名作品を期待している人は少々がっかりするかもしれない。しかし、伝道師としてモンスにやってきた若きゴッホが、炭田風景やそこで働く人々を描いた作品から、画家を志し、師を仰がずに独学で絵を描き始めるまでの彼の成長を時系列的に吟味していくのは、なかなか感慨深く、時が進むにつれ徐々に技法やタッチが変化していく様子は、素人がみても興味深いものがある。
展示期間は今月の17日まで。今ならまだ間に合うので、是非行かれることをお勧めしたい。
しかし、モンスのイベントはゴッホ展だけではない。街全体が美術館のような感覚で、道中も楽しくアートを満喫できる。建物の外観や道端でモダンアートやオブジェを観賞できたり、夜にはサン・ヴォードリュー教会( La Collégiale Sainte Waudru
)や塔(Beffroi de Mons)などをライトアップして行われる光のショーは、鮮やかでとても美しい。他にも美術館や博物館、ミュージックコンサートやグルメイベントが選り取りみどり。詳細は公式サイトにきめ細かに書いてあるので、ぜひ参考に。
美術館住所:
Beaux-Arts Mons
Rue Neuve, 8 - 7000 Mons
開館時間:
火曜日~日曜日 10:00~18:00
モンス2015サイト
BAM ボザールモンスサイト