スカッシュ (Squash) の話
2016年2月
ウリ科のスカッシュは変種の数が非常に多い、キュウリやメロンなどと同属のつる性の植物です。これらは中央アメリカが原産の野生のスカッシュが起源で、ラテンアメリカのアステカ、インカ、マヤの人々により栽培されていました。
大きく分けて、サマースカッシュ(ズッキーニなどの若い状態で収穫されるもの)とウインタースカッシュ(バターナッツスカッシュ、日本カボチャなど完熟してから収穫するもの)があります。ウインタースカッシュであるカボチャには、日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャ、ミクスタがあり、今回ご紹介するスパゲッティ・スカッシュは、ペポカボチャの仲間で、19世紀末に中国から日本に導入され、日本語では金糸ウリ(なますウリ、そうめんカボチャ)と呼ばれています。特徴は他のスカッシュと異なり、果肉を加熱するとスパゲッティの様に太い糸状になりバラバラとほぐれることです。
食感を楽しむスパゲッティ・スカッシュ
(Spaghetti squash)
スパゲッティ・スカッシュはその名の通りスパゲッティの代用になるので、いろいろなパスタソースに使えるうえ、他のスカッシュの様にスープ、グラタンなどにも適しています。また、加熱したものを冷ましてドレッシングやマヨネーズで和えてサラダに。サクサクとした歯ざわりなので酢の物、和え物も美味しいです。
成分は、カリウム、そしてビタミンCとパントテン酸(ビタミンB5)という肌に有効な2つの成分を含んでいます。また種は西洋かぼちゃの様に硬い種皮がないので、乾燥させて炒って食べられます。この種には多くの栄養分があり、いま注目されているオメガ3脂肪酸も豊富です。
調理方法:
大きさや鮮度にもよりますが、丸ごとならオーブンで約1時間(180°)、茹でるなら30~40分、電子レジは強で約20分。半割や輪切りの場合はだいたいその半分の時間です。 今回は電子レンジを使用。
※写真をクリックすると大きな画像が見られます。
①皮にナイフの先で数ヶ所キズをつけターンテーブルへ。
②皮が少しへこんだり、ヒビが入ればOK。
③かなり熱くなっているので気をつけて取り出し、両端を切り落とし縦半分に切る。
④種をかき出し、フォークで果肉をほぐしながら取り出す。
なお、輪切りのものを茹でるときは、加熱し過ぎると味がなくベトベトになるので、果肉が簡単にスパゲッテイ状にほぐれれば加熱をやめる。すこしシャリシャリするぐらいがベストです。
参考文献:世界食材事典 柴田書店